働き方改革の即効薬 明日から使える15の処方箋


「たくさん働く」ではなく「じょうずに働く」

日本の高度成長を支えた、寸暇を惜しんで仕事に没頭するスタイルは、現代では受け入れられなくなりました。従業員が情報を自由に発信できる情報通信環境が整備されたことで、企業リスクとして従業員満足度を考える必要があります。強圧的な態度をとると、ブラック企業という噂が出回ってしまうかもしれません。実際、大手外食チェーン店や運送業者などではそういった噂がSNSなどを介して広まり、のちにマスメディアに取り上げられて情報が一気に拡散するケースが増えています。結果、そういった企業では人材確保が困難になり、一気に市場競争力を落としています。特に電通の過労死事件以降、国としての取り組みが本格化し、「残業許すまじ」といった勢いで働き方の見直しが進んでいることは、皆さんもご存知のところかと思います。
また安定志向がより強まっていく中で、大企業に応募が集中し、中小企業ではますます人材探しが非常に困難になってきています。働き方改革の目指すところは、1つは作業の効率化をすすめて人手を増やさずに仕事がこなせる環境に変えていくこと。そしてもう1つは作業環境の良さをアピールすることで人材維持・確保に繋げることです。

 

気になったツールをいくつかピックアップ

紙面では働き方改革を進めるために使えるツールが多数紹介されています。最近のツールの特徴として、素早く簡単に始められる、ある機能に特化しているという点があります。その中でも、中小企業でも導入しやすそうな3つのツールをご参考までにご紹介したいと思います。

 

BizRobo!

PC上での操作を記録・再生することで、定型的な作業を大幅に減らすことが出来るツールです。例えば発注業務において、発注管理システムで発注待ちのデータを検索し、結果の1行1行に対して発注書をFAXするといった定型作業を、ロボと呼ばれるシステムに代行させることが出来ます。短期で効果が出やすいことが特徴と紹介されています。従来のようにシステム同士を直接連携させなくとも、ロボに一連の複数のシステム操作を覚えさせることで、柔軟にシステム連携できます。費用感としては、1つのロボットを1週間で作るプラン「LITE」プラン120万円からとなっているようです。費用としては若干高めですが、直接作業時間減につながるので費用対効果は測りやすく、導入の根拠説明は難しくないかもしれません。

 

LINE WORKS

スマホを持っている方の大半は使っているであろう、LINEのビジネス版です。ユーザー管理機能やセキュリティ強化が個人版LINEとの違いで、それ以外の操作感はほぼ同じです。ファイル共有やスケジュール管理などの個人版LINEに無いビジネス向け機能も提供されています。また、スタンプが使えるので、社内コミュニケーションの活性化にも一役買っているようです。LINEを業務に使っている企業の話は私自身よく耳にしますが、セキュリティ面で不安が残ります。例えば、パスワードがかかっていない状態で端末を紛失してしまう事故への対策や、退職後に業務内容が個人に知られないようにコントロールするなどの設定は、個人版LINEでは出来ません。

 

蔵衛門Pad

一言でいうとタブレットを使った黒板です。建築工事の現場では工程状況を記録に残すために、黒板に工程内容や日時を手書き記載して、現場を背景に写真撮影します。記録作業は、1人が手で黒板を持ってもう1人が撮影するといった、2人体制で行われることが多いようです。空調機器などの建築設備いおいても、同様に写真撮影が求められます。現場監督者の主な仕事は、この工程記録であるとも言われています。蔵衛門は黒板形式の画像をタブレットのカメラで撮影した写真に重ねて撮影・保存することで、タブレットでの写真撮影を取るだけで工程記録を残せます。作業に係る時間も人数も大幅に削ることが出来ます。また工程写真はデータとして台帳に保存されるため、撮影した写真を整理する手間も省けます。

 

ツールの導入は全体感を持って進める

冒頭にも書きましたが、これらのツールはある機能に特化しているため、働き方の問題となっている根本部分と、ツールが効く部分が一致していないと効果が出せません。たとえるなら、体の健康管理と似ています。体の痛みの原因が全く別の部分にあったというのはよく聞く話です。健康維持のためには定期的な健康診断が必要です。診断のあとで治療方針を決めて、必要であれば薬が処方されます。働き方改革の進め方もまったく同じで、まずは全体を分析してどこに問題があるのか根本部分を特定してから、対処のための方針を立てます。そして改善手段の一つとして、ITツールの導入を検討します。
ツール選びから始めると機能の便利さばかりが目立ってしまい、本当に必要な機能なのかという議論が置き去りにされがちです。またツール導入後になると、細かい点での使い勝手にこだわるあまり、本来の狙いとは違った方向に議論が進んでしまうケースもよく見受けます。まずは何に困っているのか?その問題の解決にはITが最良の選択肢なのかを議論し、社内合意を得たうえで導入を進めましょう。そして当初の目的からぶれないよう、ツール活用をマネジメントすることも必要になってきます。
当社では、社内合意を記録に残すための、業務フローや課題関連図・システム要件一覧などのドキュメント作成を請け負っております。日常業務を進めながら、並行して働き方改革を計画的に進めることは、現場とっては大きな負担です。弊社のような外部リソースをうまく活用しながら、まずは計画的に改革を進めるための体制を整備しましょう。